酒精とは?

 味噌の添加物に酒精(アルコール)があります。弊社がネット販売している個人向け商品の中には、なるべく桶から出したそのままをお届けしようという目的の元、酒精なしのものが多くあります。しかし一方で、日本酒でも使われるように、酒精添加は割と理にかなったところがあります。ここではそのお話をご紹介。

 味噌は発酵すると味噌中の酵母(菌)がアルコールと二酸化炭素を作り出します。

 二酸化炭素が出てくると、袋入りの味噌の場合、袋がパンパンに膨れたりする恐れがあります。それを抑えたいというのが酒精添加の目的です。

 実は酵母というのは、自分でアルコールをどんどん発生させておきながら、ある程度アルコール濃度が高くなると活動が弱まってしまうのです。

 この性質を利用して、発酵を止めたい(酵母の活動を止めたい)タイミングで外部からアルコールをある濃度まで添加すれば、酵母の活動も抑制され、二酸化炭素も出なくなって、袋が膨れずに済むというわけです。

 一般に食品の保存を目的とした添加物としては酸を使ったり、熱殺菌を施したりすることがありますが、味噌において、酸は味を変えてしまいますし、熱殺菌では味が変わると共に味噌中の有用な微生物が失われてしまいます。これに対しアルコール添加とは味噌の発酵の原理に即しており、そもそも味噌中にも存在するアルコールというものを利用するので味への影響が少なく、実は、割と理にかなった方法だと言えます。