「良い麹が良い味噌を作る」と言うのは、何となく皆さんもご存知のことかと思います。正しくその通りなのですが、一般の方々にとって発酵食品は「麹菌」のイメージが強く、「酵母」についてはあまりイメージがわかないようです。
しかし、実は「発酵」と言うのは字のごとく、酵母の活動を示しています。酵母が糖やアミノ酸を分解して、アルコールを生成することを「発酵」と言います。
それでは、糖やアミノ酸は、一体どこから出てくるのでしょうか?味噌の原料は大豆と米と塩だけです。
そこで登場するのが「麹菌」です。麹菌が何をするかと言いますと、米や大豆を分解して、糖やアミノ酸を作ってくれます。
すなわち、麹菌は、酵母のエサ(糖やアミノ酸)を作ります。そして酵母はそのエサを分解してアルコールを作り、発酵が進むという段取りです。このように、麹菌と酵母の連係プレーが、味噌の中で起こっているのです。
もちろん、大豆や米の全てが糖やアミノ酸になるわけではなく、さらにそれらの糖やアミノ酸の全てがアルコールになるわけではありません。そんな事が起きたらお酒になってしまいます・・・。あくまで大豆や米の一部が糖やアミノ酸に分解され、さらにそれらの一部を酵母が分解してアルコールにします。これらの糖・アミノ酸・アルコールなどのバランスが味噌の風味に大きく影響してくるわけです。